埋む嵐


 「うずむあらし」

 エジプト神話を元にした創作です。

CHARACTERS

Setekh

 -セテク-

セト神 ♂

190cm付近

嵐、不毛

 

 

「力偉大なる暴砂の主人」

 ゲブとヌトの次男、ウシルとアセトの弟にしてネフトとジェフティの兄である砂漠の領主。妹のネフトとは夫婦にあたる。

 兄のウシルを殺害し王位を簒奪、ウシルの子ハルと敵対する。

 荒々しく人を寄せ付けない砂漠の化身であるため、粗野な部分はあるものの王の一族であるので立ち居振る舞いは堂々と立派である。狡猾ともとれる程度には頭が切れる上、指導力はあるので正当性はともかく王として人気は高い。

 


Djehwty

 -ジェフティ-

トト神 ♂

170cm代後半

智恵、魔力

セテク派

 

「神々の書記、真実と時の主人」

 ゲブとヌトの末の子であり、ウシル、アセト、セテク、ネフトの弟。師にヘジュ・ウルが、弟子にネフェルセバがいる。マァトと夫婦になる。

 セテクによる王位簒奪の参謀役であり、神々の法廷に立って彼を弁護する。

 膨大な智恵と強大な魔力を司る、神々の中で最も優れた魔術師であり様々な能力に長ける。また満月の加護を受けているため、月の満ちた夜に彼に勝てる者はいない。公正を重んじるが故か、目的のためには手段を選ばず、不要なものをばっさり切り捨てるだけの非情さも持っている。

 

 

 


Maat

 -マァト-

マァト女神 ♀

160cm半ば

正義、秩序

中立

 

「正しきを愛する正義の翼」

 ラーとタウレトの次女で、ヌトの妹、ハトホル、セクメト、バステトの姉である女神。ジェフティと夫婦になる。

 正統はウシルの側にあるとはいえ、人々の苦しみと地上の混乱を招いたこと、また弟の妻との不義があったことに憤り王位継承戦争への不介入を決める。

 その職能にある正義や秩序の肩書き通り、何事もはっきり結論づけ整えることを是とする。真の正義の執行のためには犠牲や悲しみも伴うことがあるという認識でおり、そのために手を汚すジェフティに寄り添いながらその高潔な魂の正しさを信じている。

 

 

 


Hedj-wr

 -ヘジュ・ウル-

ヘジュ=ウル神 ♂

200cm前後

衛生月

ハル派

「五人の中で最も偉大な白銀の月」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「暗闇」の概念からラーと共に生まれた月神。ラーとは相補にして犬猿の仲。ジェフティを弟子として可愛がる。

 正統がウシルの側にあることと、ラーがセテク派についたことを受けてハル側につく。直接的な手出しをするよりは、ハルの王としての成長を手助けし見守る存在である。

 天体としての月を支配する好戦的な知恵の神である。生まれてすぐの頃ラーと地上の支配権を巡って争い、僅差で譲り渡した因縁があるためちょくちょくラーの邪魔をして遊ぶ豪快な好々爺。クムヌの管理権である「鍵」を弟子のジェフティに譲り渡す。

 


Nebet-hwt

 -ネベト・フゥト-

ネフティス女神 ♀

160cm半ば

従属、背信

ハル派

「死せる王のために泣く者」

 ゲブとヌトの次女であり、ウシル、アセト、セテクの妹にしてジェフティの姉。兄のセテクとは夫婦にあたる。愛称ネフト。

 セテクの妻であったが、ウシルと不義の関係を持ち離縁されそのままウシル側に留まる。

 姉のアセトと相似の姉妹であるということにアイデンティティを見出すと共に、姉の影でしかないことに劣等感を持っており、同じものを手に入れようと躍起になるところがある。夫であったセテクからそれなりに大事にされている自覚はあったものの、弱者を放っておけないウシルの善性に漬け込み一夜を共にした。


Ptah

 -プタハ-

プタハ神 ♂

180cm代後半

物質の生成

中立

 

「顔美しき造物の鍛冶師」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「欠乏、不在」の概念から生まれた職人の神。セクメトと夫婦になる。

 職人としての自らの領分を侵されない限りは王位継承戦争に関わる気は無く、妻にも好きにさせている。

 無口で静かな雰囲気を漂わせているが職人気質であり、頑固でこだわりの強い部分も持ち合わせている。他の神々からの頼まれ物や、地上の人間たちの為の工具などを非常に精緻に作成する。妻であるセクメトや子どもたちをそれぞれ深く愛しており、家を離れたマヘスのことも工場にいながら見守っている。


Hathor

 -ハトホル-

ハトホル女神 ♀

160cm半ば

博愛、美

ハル派

「全ての母なる生命の貴婦人」

 ラーとタウレトの三女であり、ヌトとマァトの妹でセクメトとバステトの姉。ハルと夫婦になる。

 ウシル側の王権の正当性と、未熟さを乗り越えようと努力するハルの姿に王の資格を見出し助力する。一度失われたハルの瞳を復活させた。

 懐の広い母性の象徴であるが故に常に受け入れる側に回っており、自身の心安らげる場所を求めてこなかった献身の女神。王位継承戦争を通じてハルを支えていく内に自らも受け止められるということを知り、彼の隣に居場所を見出す。裁判の終わった死者を楽園へ導くなど、面倒見がよくおっとりしている。


Neith

 -ネイト-

ネイト女神 ♀

170cm前半

狩猟

ハル派

 

「原初の丘、両国の女主人」

 ヌンから生まれた原初の丘の神格。世界と全ての生命を見守る。メンチュの妹。夫は既に死亡しており他の神からは定かでないが、息子に鰐神のセベクがいる。

 夫を亡くした未亡人の立場からアセトに共感し、ハルの王位の正当性を主張する弁護人となる。同じく古い神であるラーとは腐れ縁であり、決断を渋る彼を一喝した。

 義侠心に篤い戦女神である。息子は絶賛反抗期だが、これまでに正しいことをしっかり教えて真っ直ぐ育てた自信があるので今は彼の思うままに任せている。


Nekhbet

 -ネクベト-

ネクベト女神 ♀

160cm代後半

上エジプト

ハル派

「翼の白き南の女主人」

 ハルの乳母の一人。ナイル上流の上エジプトそのものの神格であり、人の胴体に腕の代わりに翼が、下半身に鳥の体がついた姿の禿鷹の女神。

 ウァージェイトと共にアセト母子を匿い、後に南の大地の統治権を保証する王の後見人となった。

 鉱山の守護者であり、金属の武具とそれに伴う戦神としての強さを象徴する。

 

 

 

 


Kheper

 -ケペル-

ケプリ神 ♂

150cm代前半

セテク派

 

「様々な形持つ夜明けの太陽」

 ヌンが吐き出した原初の丘の欠片の土団子から生まれた。夜明けに地平から登る太陽球を押し上げる少年神。

 常にラーの傍らに控え、その小姓の様な立場にいるためそのままセテクに助力する。

 ラーの命を受けて常に忙しく立ち回っており、子どもらしく遊ぶ暇が無い。顔がスカラベになっていることもあるが、いろんな神々に「それやめろ」と言われて凹んだ。

 

 

 


Tawret

 -タウレト-

トゥエリス女神 ♀

160cm後半

生命の肯定

中立

「偉大なる神々の太母

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「否定」の概念からムトと共に生まれた河馬の女神。ラーとは夫婦にあたる。

 既に実績のあるセテクは勿論、発展途上のハルにも見守る価値はあると考え、夫とは別に中立を保つ。

 肝っ玉おっかさんであり、この世のあらゆる生命をその存在によって肯定する。時には夫であるラーを叱りつけることすらある強き女。


Dwa-mwt.f

 -ドゥアムテフ-

ドゥアムテフ神 ♂

70cm前後

肺と気管支

派閥無し

「東へ飛び立つ死者の分身」

 ホルスの四人息子の一人。セバのこと「にーたん」と呼んで慕う。

 王位継承戦争終了後に生まれた為派閥を持たない。

 

 死者のミイラ作りを手伝い、その肺と気管支、そして死者の分身体であるバァを守護する。また、東をその領域として活動する。神統時代の終わり、地上の王として神と人との橋渡しをした。賢く自身に満ち溢れているがさみしがり屋。


Hapi

 -ハピ-

ハピ神 ♂

170cm代

大河

中立

 

「天地を流れる恵みの大河」

 ヌンから流れ出し冥界や地上を流れるナイルそのものの神。流れが生まれたことにより本来人格を持たなかった原初の大洋・ヌンが人格を得たその一側面。

 水による恵みは何者にでももたらされる、という信条のもとに中立を貫く。セテクとハルの勝負の舞台そのものにすらなった。

 性器は男性のものだが、ナイルの恵みを象徴する多少ふくよかな体系をしており乳房がある。お祭り騒ぎが好きなので、人間たちに河畔で肉を焼かせて共に楽しむこともある。

 


Heket

 -ヘケト-

ヘケト女神 ♀

160cm前半

多産、繁栄

中立

 

「魂の誕生と再生の女主人」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌが活動を終えて休眠した際、その波動の残滓から破壊の大蛇アペプと共に生まれた蛙の女神。アペプと異なり秩序側に身を置く存在である。クヌムとは夫婦にあたる。

 王位継承戦争には夫ほど興味がなく、立場も中立である。

 クヌムが創り出した生命の器に魂の卵を吹き入れる役割を負っており、全ての魂の母とも言えるが反対に自らの物質的な子供を持たない女神である。常に気ままで自らのペースを崩さないが、クヌムにはもうちょっとしっかりして欲しいと思っている。


Mentjw

 -メンチュ-

モントゥ神 ♂

180cm半ば

闘争心、拡大

セテク派

「両腕の力強き王権の劔」

 ヌンから生まれた原初のの、大地として広がろうとする意志の神格。ネイトの兄。

 共に武神であるセクメトと同じく、勝者が王になれば良いと考え力の強大なセテクの側につく。以来ネイトとは疎遠である。

 原初の丘の一側面でありつつ、遍く戦士の闘争心を司る神でもあり、領土の拡大をその本分とする。その為彼にとって"力"とは絶対至上の正義である。自らも強き武神として高い矜持を持っており、同じく強い戦士や闘う意志のある者には共感と敬意を示す。


Rekhet

 -レケト-

人間の娘 ♀

160cm手前

女魔術師

セテク派

「知恵の翼持つ復讐の炎」

 セテクの養女であり彼に仕える人間の女魔術師。その名前は「知恵」を意味する「rkh」を由来とする。

 元々はウシルに仕えた廷臣の娘。彼女がまだ幼い頃に父親は佞臣の讒言が元で処刑され、一族郎党も殆ど皆殺しにされる憂き目に遭う。その為当時の臣下たちと、彼らの発言を真に受けて裁定を下したウシルを強く恨んでおり、一矢報いる為にセテクの傘下に入る。

 目的のためならば手段を選ばない非情さはあるが根は愛情深い女性であり、民への統治は合理的かつ優しい。セバを非常に可愛がっている。


Kwk ♂

 -クク-

Kawket ♀

 -カウケト-

暗闇

 

「光無き暗澹」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「暗闇」の概念が形になった一対の神々。彼らから昼と夜を照らす天体であるラーとヘジュ=ウルが生まれた。

 下の世代を産み落としたあと、他のクムヌと共に休眠し、いつか知恵神に呼ばれて再び混沌と再生を繰り返す日まで眠り続ける。


Neferseba

 -ネフェルセバ-

セトから生まれた太陽円盤 ♂

90cm前後

継承、伝達

セテク派

「太陽の猟犬、その美しき星の狐」

 王位継承戦争の過程でハルとセテクの間に生まれた神。ジェフティの猶子として育てられ彼を師父と仰ぐ。

 セテクが出産するという若干イレギュラーな産まれ方でこの世に出てきたためすぐにジェフティに引き取られ、そのままセテクの陣営に残る。母(?)のことを「我が王」と呼んで仕える。

 基本は低級神として他の神々のお使いをする。多くは死者の裁判の補助としてウシルの法廷に顔を出している。愛称はセバ。インプのことはなんとなく血が繋がってそうなので兄ということにしている。

Har

 -ハル-

ホルス神 ♂

180cm代後半

再生、復活

 

 

「天空の主人、その父の復讐者」

 ウシルとアセトの子、セテクの甥にあたる王位継承者候補。ハトホルと夫婦になる。

 セテクによって命を奪われた父王の仇を討つと共に、自らの王位の正当性を主張するため神々の法廷に立つ。

 若々しく力強い隼の神であり、王位の永遠を象徴するためか精神的に未熟な部分も大いにあるものの、王としての素質は申し分ない。対立こそしているものの、セテクの持つ武神としての力強さには憧れを抱いている。

 


Atem

 -アテン-

アテン神 両

170cm付近

平等、専制

中立

 

「地平にて歓喜する生命の光球」

 一人で存在し一人で完結する、家族を持たない両性具有の神。非常に多くの腕を持つ。

 光球を表す太陽円盤として、常に地上を照らし恵みを与え続ける。全ての者に等しく降り注ぐ光であるため、明確に何者かの派閥に属することは滅多にない。

 後代、一点からくまなく地上を照らす中継地点として人間の王を求めたものの、その王が意に沿わぬ形で暴走し地上の人々を傷つけたことを深く悲しみ、以後なるべく必要以上に地上に介入しないようにしている。

 

 

 

 

 


Sekhmet

 -セクメト-

セクメト女神 ♀

180cm前後

疫病、憤怒

セテク派

「燃え盛る病の吐息、太陽の右目」

 ラーとタウレトの四女で、ヌト、マァト、ハトホルの妹でありバステトの姉。父であるラーの右目を依代としている。プタハと夫婦になる。

 強い力こそ正義であると考えており、実力で王位を勝ち取ったセテクこそその立場に相応しいと考えている。

 父であるラーの怒りや憤りの感情を元に生み出された存在であり、そのまま激昴しやすい性情となっている。ただし夫のに対しては貞淑な妻であり、こに対しては良き母であるなど、自らの家族や身内のことを何よりも大切に考えている面もある。自らを倒して連れ戻したジェフティには一目置いており、一方的に好敵手扱いしている。

 


Khenes

 -ケネス-

コンス神 ♂

150cm代後半

満ち欠け、変化

中立

「宵空を横切る三日月の眼」

 アメンとムトの子であり三日月を中心に欠けた月の恩恵を受ける月神。

 王位継承戦争に関しては両親と共に不干渉の立場をとっているが、同じ月神でもあるジェフティに対してはちょくちょくちょっかいをかける。

 人々の血肉を持って王の永生を助ける存在であり、眼病を癒す力も持っている。常に少年の姿をとり、あちこちでいたずらをして回っている。ネフェルテムやネフェルセバとは少年神繋がりで仲が良い。同じ隼神であるハルには多少同情的である。

 

 

 

 

 


Seker

 -セケル-

ソカリス神 ♂

180cm半ば

門番

中立

 

「砂上の門番、冥界の隼

 冥界の門を管理している謎多き男神。あまり他の神々と関わる事もなく、王位継承戦争も地上と冥界との境界に関わらない限りは関心が無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Nefertem

 -ネフェルテム-

ネフェルテム神 ♂

160cm前後

医療

中立

「泥上の睡蓮、魂の裁定者」

 プタハとセクメトの次男であり、マヘスの弟。ロータスの如き美少年であり、母から出た疫病を癒す医療神でもある。

 医療の遂行という自身の職能上、公平にその技を使うため父と共に中立を貫く。

 家を離れた兄のことを非常に気にかけており、時折様子を見に来る。ケネスやネフェルセバとは同じ少年神として仲が良い。物腰柔らかで優しいが、父譲りの頑固さを発揮することもある。

 

 

 

 


Sesheat

 -セシェアト-

セシャト女神 ♀

150cm代前半

測量、記録

派閥無し

「文書を守る図面の女主人」

 ジェフティとマァトの長女でマフデトの双子の姉。王位継承戦争の後に生まれたため特に派閥などは無いし考えてもいない。

 父であるジェフティの性質を強く受け継ぎ、共に神々の書記として王権や諸々の記録を請け負う。好奇心旺盛で理論的な少女神であり、妹のマフデトと常に一緒にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 


Medjed...?

 -メジェド…?-

<●><●> 不明

身長可変

なん…なんだこれ

派閥不明

「敵を打ち倒す者…?」

 オ○Q。出自は全く不明で、恐らく「メジェド」というのは彼の名前ではない。別の神の特殊な姿だとも言われているが定かでない。

 冥界にてウシルの敵を打ち倒すためにいる。目から熱光線が出て大体のものをジェノサイドする。喋ると全部ヒエログリフになる。なんだこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 


Amen

 -アメン-

アメン神 ♂

170cm半ば

不可視の光、電磁波

中立

「生命の息吹、見えざる光の主人」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「無限、不定の空間」の概念からアトゥムと共に生まれた神。ムトとは夫婦にあたる。

 王位継承戦争では一家で中立を決め込んでおり、王位継承候補たちの争いを見物している。

 ラーやアテンが「光を与える者」であるならば、アメンは「光そのもの」である。空間を伝わる波そのものであり、全ての生命の源とも言える存在だが、普段はオジサンチックな適当過ぎる言動が目立つのであまり凄そうに見えない。


Nwt

 -ヌト-

ヌト女神 ♀

160cm後半

天空

ハル派

 

「千の魂を持つ天空の女主人」

 ラーとタウレトの長女であり、マァト、ハトホル、セクメト、バステトの姉。ゲブとは夫婦にあたり、ウシルら五人の兄弟の母でもある。

 実の息子たちの兄殺しに心を痛めており、神々の法廷では孫であるハルを擁護する。

 あまり自己主張がなく、夫のゲブに振り回されることも多いが、常に子どもたちの身を案じていた。セテクによる王位簒奪が起こった後も、彼女にとってはセテクもジェフティも愛する息子である。

 


Imseti

 -イムセティ-

イムセティ神 ♂

70cm前後

肝臓

派閥無し

「南へ飛び立つ死者の生命力」

 ホルスの四人息子の一人。セバのこと「にーたん」と呼んで慕う。

 王位継承戦争終了後に生まれた為派閥を持たない。

 死者のミイラ作りを手伝い、その肝臓と死者の生命力であるカァを守護する。また、南をその領域として活動する。神統時代の終わり、地上の王として神と人との橋渡しをした。しっかりものでよく喋る。

 


Keben-senw.f

 -ケベンセヌフ-

ケベンセヌフ神 ♂

70cm前後

派閥無し

「西へ飛び立つ死者の転生体」

 ホルスの四人息子の一人。セバのこと「にーたん」と呼んで慕う。

 王位継承戦争終了後に生まれた為派閥を持たない。

 死者のミイラ作りを手伝い、その腸と死者の転生を促す力であるサフを守護する。また、西をその領域として活動する。神統時代の終わり、地上の王として神と人との橋渡しをした。マイペースでボーッとしているが好奇心は旺盛。

 


Mut

 -ムト-

ムト女神 ♀

160cm半ば

誕生の受容

中立

 

「全てを内包する赦しの太母」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「否定」の概念からタウレトと共に生まれた女神。アメンとは夫婦にあたる。

 王位継承戦争に関しては夫に従い中立を守っているが、母たるもの全てを内に持つ母として、そして自らも息子を持つ母としてアセトに対し同情的である。

 この世のあらゆる生命が誕生し世界に留まり存在することを「赦す」存在であり、総ての命と生ける魂は彼女の権限により大地に存在を許されているものである。教育に関しては厳しいが、その本質は受容と承認の愛である。


Tefnwt

 -テフヌト-

テフヌト女神 ♀

165cm前後

湿気

ハル派

「大気潤す霧と虹の女主人」

 アトゥムの娘でシュウの妹にして妻である女神。大地の神ゲブの母。

 王位の正当性、あるいは行いの正当性から王座はハルにあるべきとして早いうちから彼の味方につく。以来孫娘であるアセトを励ましながら、神々の法廷の参考人として出廷している。

 普段は優しく穏やかな女神であるが、時と場合によって対応を変える柔軟さと、自らが正しいと感じた方向に迷わず進む芯の強さを併せ持つ。孫にあたるセテクやジェフティを嫌っているわけではないが、兄ウシルを殺害した件に関してはお説教が必要だと考えているようだ。


Wenet

 -ウェネト-

ウェネト女神 ♀

150cm前半

音波の受信

セテク派

「脚速き南方の兎」

 上エジプトに住む兎の女神。普段は砂漠に住んでいる。

 長い耳で多くの情報を集めてくる諜報員の様な存在としてジェフティの配下になる。従って、王位継承戦争ではセテク陣営に大いに貢献した。

 好奇心こそ強いものの警戒心も非常に強く、滅多に知らないものはには近づかないが、いろんな場所にある安全に身を隠せる所を熟知しておりそれらを活用して諜報を行う。にんじんなどの根菜よりも草が好きでよく齧っている。

 


Babai

 -ババイ-

ババイ神 ♂

170cm前半

威勢、先鋒

セテク派

「臓腑を喰らう雄叫びの狒々」

 セテクの配下で軍務に就く狒々の神。

 王位継承戦争の際は徹頭徹尾セテクの配下として彼の王権を支える。

 直情的であまり考えすに反射でものを言うため、決断を渋るラーに罵声を浴びせて罰せられることもある。しかし戦場では頼もしい武神であり、倒した敵の臓腑を喰らう……と敵味方問わず信じられ恐れられている。しかし一旦味方につければ最後まで共に戦い守ってくれる義理堅い男でもある。

 

 

 


Niaw ♂

 -ニアウ-

Niawt ♀

 -ニアウト-

否定

 

「否定の絶望と痛苦」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「否定」の概念が形になった一対の神々。彼らから生命の肯定と受容を司るタウレトとムトが生まれた。

 下の世代を産み落としたあと、他のクムヌと共に休眠し、いつか知恵神に呼ばれて再び混沌と再生を繰り返す日まで眠り続ける。


Inpw

 -インプ-

アヌビス神 ♂

190cm付近

計量、死者の守護

ハル派

「声正しき者の番犬、魂の計量者」

 ネフトの子。父はウシルあるいはセテクであると思われるがはっきりしない。ハルとは義兄弟にあたる。

 セテクを裏切って敵対した母ネフトの手元で育ったこともあり、基本的にハルと共に武器をとる。

 寡黙で表情の変化に乏しいため思考や感情を読みづらいが、見た目より天然なところがある。自らの出生に負い目があるためか他人に対してなるべく丁寧に振舞うが、その領分であるところの死者の眠る墓所を荒らす相手には容赦がない。


Wsir

 -ウシル-

オシリス神 ♂

180cm代後半

豊穣、死

ハル派

 

「死せる者の裁判長、冥界の王」

 ゲブとヌトの長男であり、アセト、セテク、ネフト、ジェフティの兄。アセトとは夫婦であり、息子のハルは彼の死後生まれた。

 かつて地上の王として即位していたが、弟のセトによって殺害され冥界に下る。妻アセトの献身により復活した後は冥界の王として、地上で戦う息子のハルを見守る立場につく。

 人を疑うことをしない善性の塊であり、弱者や下の者を自分のこと以上に気にかけることのできる人格者。しかしその美点でもある人を信じすぎる性により佞臣を遠ざけることができず政治が腐敗し、結果的に民を苦しめることになってしまった。自分を殺した二人の弟のことは今でも可愛がっている。


Ra

 ‐ラー‐

ラー神 ♂

170cm半ば

恒星太陽

セテク派

 

「生命と無限の領主、光の主人」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「暗闇」の概念から生まれた太陽神。その光で地上のすべてを支配する。タウレトとは夫婦にあたる。

 余りに純粋な善の性質によって地上の混乱を招いたウシルの治世を憂慮しており、また実績のないウシルの子ハルの王位を認めない立場である。

 神々の父で地上の支配者というその性質上、非常に尊大で我儘とさえ見える態度を取るが、最も古き神々の一柱であり偉大なる魔術師でもある。ただし見た目は変わらぬものの中身は相当に老化しておりヒステリックで優柔不断な面も目立つ。それでも、全てのものを照らす太陽であることに誇りと責任を持っている。


Iset

 -アセト-

イシス女神 ♀

160cm半ば

堅守、補佐

ハル派

 

「夜明けの天狼星、玉座を守る母」

 ゲブとヌトの長女であり、ウシルの妹、セテク、ネフト、ジェフティの姉。ウシルとは夫婦であり、夫の死後息子のハルを産む。

 夫を殺害したセテクを徹底的に敵視しており、彼を排除して我が子のハルを王位に付けるために全力を尽くす。同時に邪魔者であるジェフティも退けようと画策している。

 夫と息子の玉座を守る強き母であり、偉大なる女魔術師でもある。バラバラにされた夫の遺体を拾い集めて復活させたのは、彼に対する愛も勿論のこと、未亡人となった自らの立場を固めるためでもあった。多少理想家のきらいはあるものの、強い決断力と賢さ、したたかさを備えている。


Maahes

 -マヘス-

マヘス神 ♂

180cm代前半

衝動、戦勝

セテク派

 

「大地駆る雷鳴の主人」

 プタハとセクメトの長男でネフェルテムの兄。血と殺戮の主人であり王の国境を守る。

 同じ武神でもある母に反発し家を出てこそいるものの、力こそ正義であるという理念は共通して持っておりセテクの下で先陣を切る。

 普段は父に似て物静かだが、一度戦場に立てばその母譲りの戦闘力を以て敵を屠る狂戦士となる。家族から離れていても常に気にかけてはおり、特に弟のネフェルテムのことは陰ながら可愛がっている。

 

 

 

 


Bastet

 -バステト-

バステト女神 ♀

160cm代前半

芸能、家の守

中立

「音楽と芸能の女主人、太陽の瞳」

 ラーとタウレトの末娘であり、ヌト、マァト、ハトホル、セクメトの妹。音楽と芸能を愛し、自らの眷属の居着く家々の守りを約束する。

 王位継承戦争には初めから興味が無く、どちらの陣営にも出入りする。

 末っ子らしく奔放な性格であり、猫の持つ気まぐれさやしなやかさもそのまま備えている。しかしセクメトの妹であると同時に同一のラーの瞳であるが故か、自らの守護する家々が危機に晒された時は他の神々がたじろぐ勢いで牙を剥く。

 

 


Mafdet

 -マフデト-

マフデト女神 ♀

150cm代前半

判決、断罪

派閥無し

「司法を守る生命の館の淑女」

 ジェフティとマァトの次女でセシェアトの双子の妹。姉と共に王位継承戦争の後に生まれた。

 母であるマァトの性質を強く受け継ぎ、死者の裁判や神々の法廷、あるいは人間の裁判所で有罪判決を受けた者の処刑や断罪を請け負う。明るく元気で自由な少女神であり、姉のセシェアトと常に一緒にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 


Wadjet

-ウァージェイト-

ウアジェト女神 ♀

全長約300cm

下エジプト

ハル派

「炎の偉大なる北の女主人」

 ハルの乳母の一人。ナイル下流の下エジプトそのものの神格で、上半身は人、下半身が蛇の姿をしたコブラの女神である。

 セテクに追われたアセトを匿い、その子ハルの養育に手を貸す。そのまま北の大地の統治権の保証者として王の後見人を務める。

 彼女もまた偉大な女魔術師であり、アセトと共にハル側の参謀役を務める切れ者である。

 

 

 

 

 

 


Atum

 -アトゥム-

アトゥム神 両

160cm後半

宇宙空間

中立

 

「自ら存在する存在せぬ者、宇宙」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「無限、不定の空間」の概念からアメンと共に生まれた宇宙そのものと次元の神。両性具有であり、伴侶を必要としない。自分一人の力でシュウとテフヌトを生み出した。

 基本的に常に眠っているので、王位継承戦争に関しては「ラーが頑張っているなぁ」程度の認識しかない。

 眷属が鰻であるためか、体表が常に粘液で覆われ湿っている。人懐こいが底が知れない、最もヌンそのものに近い神格である。


Geb

 -ゲブ-

ゲブ神 ♂

170cm代後半

大地

セテク派

 

「大地の恵みを統べる者」

 シュウとテフヌトの一人息子でヌトとは夫婦にあたる。ウシルら五人の兄弟の父。

 実の息子らや孫による騒乱をやや楽しんでいる節があり、自らの体内である大地に住まう生物を兵力としてセテクに差し出す。

 享楽家で飽き性であり、自己中心的な言動が目立つ。かつては王位についていたが、飽きたという理由でさっさと退位してウシルに王位を譲った。妻であるヌトのことを偏愛しており、強引に引き剥がされたことを恨みに思っている。


Hepy

 -ヘピ-

ハピ神 ♂

70cm前後

脾臓

派閥無し

 

「北へ飛び立つ死者の心臓」

 ホルスの四人息子の一人。セバのこと「にーたん」と呼んで慕う。

 王位継承戦争終了後に生まれた為派閥を持たない。

 死者のミイラ作りを手伝い、その脾臓と死者の思考力及び心である心臓(イブ)を守護する。また、北をその領域として活動する。神統時代の終わり、地上の王として神と人との橋渡しをした。大人しい性格で滅多に喋らない。


Sebek

 -セベク-

セベク神 ♂

190cm前後

収集

セテク派

 

「沼川に潜む恐怖の主人」

 ネイトの息子。沼や川に住む鰐を全て舎弟として束ねる。

 母であるネイトに反発して家を出、セテクに共鳴して幕下に加わる。同時にハルにとっては幼馴染であり、彼と敵対すること自体には苦悩している。

 兄貴肌で面倒見が良い。義侠心の篤さは母譲りだが本人は認めていない。勇猛果敢な戦士であり、見た目からして屈強なため所見の相手から怖がられやすいのを気にしている。

 


Khnwm

 -クヌム-

クヌム神 ♂

180cm手前

生命の創造

中立

 

「生命の轆轤と瀑流の主」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「欠乏、不在」の概念からプタハと共に生まれた神。ヘケトとは夫婦にあたる。

 王位継承戦争にはある程度の関心を寄せているが、自身の創り出した人間たちが安らけく治まるならどちらが王であっても構わないと考えている。

 生命を生み出す轆轤と、ナイルの水門を開ける鍵を管理する。そのため無機的な道具を作るプタハとは対となり、有機的な生命を創造する存在。鷹揚な芸術家肌で細かいことは気にしないが、”作品”には非常に多くのこだわりを持っている。

 


Shw

 -シュウ-

シュウ神 ♂

170cm後半

大気

ハル派

 

「輝く大気、天空の柱」

 アトゥムの子でテフヌトの兄にして夫である神。大地の神ゲブの父。

 かつて自らも王位にあった神であり、息子のゲブに譲位してからも王権と地上を見守ってきた。孫王ウシルが冥界の住人となった今、王権が継がれるべきは彼の息子のハルであると考え彼の見方についた。

 物静かで安定感のある存在だが、息子のゲブとその妻ヌトが婚姻後片時も離れず大気の通行を邪魔した時は激怒しラーと共にその出産を禁止した。が、ヘジュ=ウルの機転で孫が産まれると「産まれてしまったものは仕方ない」と許容している。


Serket

 -セルケト-

セルケト女神 ♀

170cm前後

毒素薬物の管理

ハル派

「刺し傷と止血帯の女主人」

 ハルの乳母の一人で蠍の女神。毒物や薬物の管理が主な職掌で、ウァージェイトやネクベトと併せて「魔術の三女神」と呼ばれている。

 アセトやネイトとは元々友人関係にあり、彼女らと共に「ウシルの死を悼み泣く四人の女神」を構成する死者の守護女神の一柱である。その為生まれたばかりのハルの養育係となり、青年になるまで彼を導く存在であった。

 理知的で冷静な女性であり、感情的になることはあまりない。


Heh ♂

 -ヘフ-

Hawhet ♀

 -ハウヘト-

無限、不定の空間

 

「境界無き空虚」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「無限、不定の空間」の概念が形になった一対の神々。彼らから空間と境界、世界を形作る太陽神であるアトゥムとアメンが生まれた。

 下の世代を産み落としたあと、他のクムヌと共に休眠し、いつか知恵神に呼ばれて再び混沌と再生を繰り返す日まで眠り続ける。

 

 

 

 

 

 

 


Gereh ♂

 -ゲレフ-

Gerhet ♀

 -ゲルヘト-

欠乏、不在

 

「何物をも持たざる飢え」

 ヌンから生まれた八柱のクムヌの内、「欠乏、不在」の概念が形になった一対の神々。彼らから物質的豊かさを齎すクヌムやプタハが生まれた。

 下の世代を産み落としたあと、他のクムヌと共に休眠し、いつか知恵神に呼ばれて再び混沌と再生を繰り返す日まで眠り続ける。



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